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ニュース・フラッシュ

2005年10月13日 バンクーバー 宮武修一

Inco社とFalconbridge社、合併に向け基本合意

 10月11日、カナダの大手鉱山会社Inco社は、ニッケル生産大手Falconbridge社を128億ドルで友好的に買収することを提案、Falconbridge社の役員会も買収案を承認したことを両社は報じた。買収は株式売買によるもので、Inco社はFalconbridge社株を1株34カナダドルで買い上げるか、Inco社株0.6713株プラス5セントと交換する。2社の合併により、時価243億ドル、従業員2万5千人、6大陸で運営を行う世界最大のニッケル生産会社が誕生することになる。この合併案は、今後Falconbridge社の株主とカナダ、アメリカ、ヨーロッパの規制当局の承認を得なければならない。
 2005年8月、スイスのXstrata社が、Brascan社が所有するFalconbridge株の19.9%を購入し、今後も株購入を進めて行きたいとしていた。今回の合意には、今後予想されるXstrata社による敵対的買収を牽制する条件も含まれており、Inco社との今回の合併が成功しなかった場合、Falconbridge社はInco社に3億2千万USドルの違約金を支払うことを定めている。この違約金があることで、他者が敵対的買収を躊躇する可能性は高くなるが、他方、違約金は入札価格の1%以下が一般的な中、今回の金額は破格な高額でもあり、一部の株主やコーポレートガバナンス評論家からは異論もある。

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