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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2005年10月24日 ジャカルタ 池田 肇

パキスタン銅鉱山開発プロジェクト、コスト増で中断

 パキスタンTethyan Copper社は12日、Tanjeel銅山開発プロジェクトの投資コストが当初予測を大幅に上回っているため開発を中断し見直しを行なっていることを明らかにした。同開発の見直しは今後3か月程度をかけて実施し、開発続行の可否を決定する予定である。
 同社のDavid Moore社長は、鋼材、労働、エネルギー、爆発物などのコスト急増で開発を一時中断し、今後の計画を全面見直すと述べている。
 Tethyan社はパキスタン北部のインド・パキスタン停戦ラインに近接したReko Diq銅山開発プロジェクトに対して75%を保有し、Tanjeelプロジェクトに組み込んで開発、銅精鉱を12年間、年産4万2,000t生産するためのF/Sを行なっている。
 このプロジェクトに対し、5月にアジアの金融機関、Crosby Capital社が主幹事になっているコンソーシアムが1億100万豪州ドル(約7,600万USドル)でTethyan Copper社を1株当たり64豪セントで買収する提案を行なったが、Tethyan社はこの買収提案を拒否している。しかし、同コンソーシアムは11月17日までこの買収期限を延長させて引き続き買収提案を続けている。
 一方、Tethyan社は、韓国、中国など西側の有力企業に対してReko Diqプロジェクトの投資要請を行なっているが、現在のところ実現していない。
 Reko Diq銅山は最初にBHP Billiton社が発見した鉱山で、鉱石埋蔵量は121万t、銅品位0.58%、金0.28g/tと推定されている。BHP Billitonは現在も若干の持分を保有している模様である。

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