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ニュース・フラッシュ

2005年10月24日 北京 納 篤

中国雲南省、小規模鉱床の新規探査権等を凍結

 安泰科及び関係者等の情報によると、雲南省政府は現在すすめている国家と省の重点プロジェクト、中規模以上の鉱山周辺及び下部資源に対する探査プロジェクトなどの探査権を除き、その他の小規模の新規探査権申請、探査権の変更、探査鉱区の拡大及び探査権の譲渡を当分取り止めにすることを定めたとしている。同時に、既存の探査権の延長、新規採掘権、採掘権の延長、変更登記及び譲渡に関し、厳しく審査・批准を図る必要が有るとして関係当局に通知したとしている。
 これは雲南省政府が9月30日より2年間で、鉱産資源の健全な開発を進める上で、既知の鉱産資源を整理し、規範化させ、省全体の鉱産資源産業の発展の効率化を図ることを目的にした政策である。この政策の経緯は、雲南省の特殊事情が大いに関係している。すなわち、雲南省は小規模鉱山や小規模の鉱業権が多く、かつ無許可の開発も多く、大手鉱山企業及び資源当局が抱える問題として顕在化していたが、ようやく雲南省政府が本腰を入れて対策に乗り出した格好と言える。内容としては、省全体の鉱産資源開発秩序を整理整頓し、炭鉱、鉄鉱、燐鉱、鉛・亜鉛鉱、銅鉱、錫鉱及び金鉱など7鉱種を重点とし、鉱産資源開発にかかわる無許可採掘、売買などの行為を全面的に禁止することなどが中心。
 また、雲南省政府は、各級政府に対しても鉱産資源の開発秩序を整理整頓し、無許可の探査及び採掘等の違法行為を厳格に処分することを求めている。すなわち、鉱区境界線を超えた採掘、無許可採掘行為、汚染の垂れ流し、環境破壊、安全操業条件の未徹底等の鉱山を閉鎖することを徹底させる。さらに、(1) 法に基づく鉱山開発の奨励、(2) 法規と国家政策に基づく行政行為の規範化、(3) 探査権、採掘権の管理強化、(4) 分割している鉱山を集約化、(5) 鉱産資源の有償使用制度の完備、(6) 鉱山環境復旧補償制度の設置の検討、(7) 鉱産資源に対する探査及び採掘に係わる許認可の管理強化、(8) 鉱産資源開発の監督管理責任システムの設置及び鉱業権取引の規範化等を求めている。
 雲南省は、鉛、亜鉛、錫、燐など9種類の鉱産資源の保有埋蔵量は国内1位を占め、省内で確定している鉱産資源埋蔵量の経済価値は約3兆元(43.5兆円)に相当するとされており、雲南省政府は地質鉱産資源の探査事業推進機関内部の改革を進め、地質探鉱業務を強化するとしている。

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