ニュース・フラッシュ
2005年10月24日
バンクーバー
中塚正紀
Teck Cominco社、Inco-Falconbridge合併を称賛
10月21日に発表された地元紙等によれば、Teck Cominco社の社長/CEO、Don Lindsay氏はトロントで開かれた会合のスピーチ後、Inco社のFalconbridge社の買収について初めてコメントし、「競争の激しい社会の中、特に次の低迷時を考慮し、カナダの資産の競争力や生存力を効果的に高めることは重要なことで、Inco社とFalconbridge社の合併は相乗効果があり非常に良いことだと考える」と述べた。またInco社とFalconbridge社の合併をきっかけに、Teck社も買収対象になるのではとの憶測が流れたことについて、「Teck社を知らない人たちの憶測に過ぎない」と否定。この背景はTeck社株の多くは同社会長のNorman Keevil氏とその一族が所有管理しており、同社株を放棄する意思がまったくないことから、同社への敵対的買収は難しいといわれている。
Teck社は世界第一の亜鉛生産、世界第二位の原料炭生産会社であり、その他にも銅、モリブデン、金の主要生産会社でもある。同社は現在10億ドルの現金資産を所有し、さまざまな買収戦略を検討している。先月はアルバータ州にあるFort Hillsオイルサンドプロジェクトの15%を4.75億ドルで購入すると発表しており、同氏はスピーチの中で「同プロジェクトが軌道に乗る6年後にはTeck社の収益の17%、現金流動の35%を同プロジェクトから得ることを期待している」とし、「さらに、他のオイルサンド取得も考慮している」と語った。また、もし優良な買収対象が数年のうちに見つからない場合は、現金を眠らせずに、株主に配当金として支払うことになるだろうとも述べた。
