ニュース・フラッシュ
- 鉱種:
- 金 ベースメタル
CODELCO電力料金値上げ交渉ついに仲裁に
チリの電力業界と鉱山業界は1年以上前から電力代をめぐり果てしない攻防戦を繰り返して来たが、未だ決着が付かず、膠着状態にある。
10月16日付け地元紙等等によると、CODELCOのAndinaディビジョンとEl Tenienteディビジョンに電力を提供しているColbun社は、交渉の停滞に業を煮やし、CODELCOとの交渉を第三者による仲裁に持ち込むことを決定。仲裁が捗らない場合は民事裁判所に提訴することも辞さないとの強い姿勢を示している。
もともとCODELCOは、Colbun社と長期買電契約を締結しており、安価で安定した電力供給を受けていた。問題の起こりは、2004年3月、アルゼンチンのキルチェネル大統領が、国内の家庭向け販売を優先するため、天然ガス輸出契約を無視して、チリへの輸出量を削減するよう指示したことに発する。このため発電用燃料の一部をディーゼル油(価格は天然ガスの4倍)に切り替えざるを得なかったColbun社は、“不可抗力”によるコスト上昇を理由に、契約価格の見直しをCODELCOに申し入れていたが、CODELCOは契約を盾に、価格の見直しには一切応じられないとの強硬な態度を貫いていた。
電力各社は、どの会社も似たような問題点を抱えているため、Colbun社とCODELCOのことの成り行きに注目しており、今後少なくとも3社が同様な動きを見せるのではないかと報じられている。なお、電力各社はAntofagastaで集会を開き、鉱山会社が電力代の見直しに応じない場合は、新規鉱山プロジェクト向けの発電投資は行わないとの申し合わせを行ったと云われている。
鉱山業界は2008年までに総投資額150億ドルに昇る新規プロジェクトを抱えており、電力会社との問題を長引かせることはかえって不利だとの意見もある。また、歴史的な銅価格高騰で鉱山業界が空前の利益を挙げていることもあって、一説によると、ホルヘ・ロドリーゲス経済大臣氏は、電力業界に同情的な考えを持っているとのことであるが、現在までのところ黙して語らない態度を貫いている。
