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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2005年10月28日 北京 納 篤

中国国家発展改革委員会、銅製錬の無秩序な投資を抑制

 新華社ネット他地元関係者によると、中国の国家発展改革委員会経済運行局の賈銀松副局長は、銅製錬業に規則を無視した製錬所の建設と増設が進められており、このため銅精鉱の供給が逼迫し、結果的に価格上昇をもたらしていると指摘した。
 賈副局長によると、第3四半期工業・交通経済運行発表会の際、現在の国内の銅精鉱生産能力は製錬能力の40%に過ぎず、製錬は63%の電解能力にしか満たせない状況にあり、構造上の矛盾が露呈している。従って、長期に亘って大量の輸入で生産を維持せざるを得ない状況となっている。
 発展改革委員会の調査によると、現在国内に建設中、建設予定の銅製錬所建設プロジェクトの精製銅の生産能力は205万tで、前年末の約2.3倍となった。総投資額は200億元(約2,800億円)強で、前年全体の投資額の90.6%に相当する。このまま推移すると、2007年には製錬能力は370万tに達し、国内の銅精鉱生産と国際市場からの供給能力を遙かに超える可能性が高い。
 こうした設備増強の背景としては、国内のエネルギー不足からエネルギーの供給能力拡大のために電力設備の建設が進み、結果的に銅需要の増加と価格の急騰を招くこととなった。賈副局長は、製精錬設備は多額の資金が必要な上、環境への影響も大きい資源依存型の産業とし、その無秩序な拡張は投資資金の浪費と金融リスクをはらむとの認識を示した。中国政府は現在、「銅工業産業発展政策」の改正を急いでおり、産業構造の調整と老朽設備の廃棄、無秩序な拡張や違法建設の抑制策などを盛り込む方針。

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