ニュース・フラッシュ
2005年10月31日
バンクーバー
宮武修一
カナダ証券管理局、鉱物資源プロジェクトの情報公開基準を改訂
10月7日、カナダ証券管理局(Canadian Securities Administrators)は、トロント株式市場の上場企業が取り扱う鉱物資源プロジェクトの技術情報の公開基準を定めたナショナル・インスツルメント(NI)43-101を改訂し、2005年12月30日より施行することを同局ウェブサイトで公示した。改訂のポイントは、(1) 全体にわたる表現の明確化、(2) 第三者の現地確認要件の緩和、(3) 情報開示義務をロイヤルティ保有者にも拡大、(4) NI43-101に準拠しない旧鉱量を新たに定義、などである。
現行NI43-101は、1997年のBre-X事件を教訓とし、トロント株式市場に参加する投資家の保護と上場企業と産業の健全な発展を目的に2001年2月に施行されたもの。評価資格を保有する第三者によりプロジェクトの技術レポートが作成されなければならず、分析品位の取得、鉱量計算などに関し、細かな情報開示義務を課す。
NI43-101の改訂を巡っては、カナダ証券管理局は2004年9月にウェブサイトに改訂案を公示。90日間のパブリックコメント受付と各州証券管理局の調整を経て今回の公示に至ったもの。今後、各州財務当局の承認を経て施行される。今回のパブリックコメントの総数は80超と、他産業のナショナル・インスツルメントに比較して約10倍程度多かった模様で、業界の関心の高さを物語る。
