ニュース・フラッシュ
2005年10月31日
ジャカルタ
池田 肇
カナダ・TVIパシフィック社、フィリピンで鉱山開発
地元紙等によると、カナダ・TVI Pacific社は20日、2004年に買収したフィリピン南部、ミンダナオ島Zamboanga半島にあるCanatuan鉱山開発プロジェクト(964,763t、品位Au:3.81g/t、Ag 142.6g/t)を拡張していく方針と明らかにした。
同プロジェクトは、上記の金、銀鉱床の開発を進めているが、同鉱床下部には銅、亜鉛鉱床も存在するとされ、2006年から開発を進める方針である。そのため、1,200万USドルを投資する予定である。
同鉱山の総面積は3万7,000haで、現在はこのうち508haで金、銀鉱石の採鉱処理を行なっているが、今後は同鉱山全体で探鉱を行なう方針である。
Canatuan鉱山は、2003年に操業を開始し、現在、金・銀鉱石の採鉱を日産750t行なっているが、11月から同1,000tに引き上げる方針。さらに、2006年は第2鉱石処理工場を稼動させ、金、銀鉱石の処理だけではなく、銅、亜鉛の採鉱も行なう計画である。金、銀の採鉱は4年、銅、亜鉛は7年のマインライフで実施する方針だと同社は述べている。これら新規の開発に対する投資総額などはまだ決まっていない。
同鉱山は人里離れた山岳地帯にあり、少数民族の原住民Subanen族が農業を行なっているほか、イスラム教や共産党系の住民との間でトラブルを抱えている。同社はSubanen族に対しては年間売上の1%をロイヤルティとして支払い、650人の鉱山労働者のうち60%は地元住民を雇用し、安全のためフィリピンの軍隊で訓練を受けた警備員を雇用して生産活動を行なっている。
