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Pascua Lamaプロジェクト・環境団体がBarrick Gold社―Huasuco渓谷灌漑組合の協定書に激しく反発
10月21日付け地元紙等によると、チリ第Ⅲ州でPascua Lama(金・銀鉱床)プロジェクトを推進しているBarrick Gold社と同プロジェクトに反対する環境団体との確執は深まるばかりで一向に収まる気配を見せない。
Huasco渓谷灌漑組合は先にBarrick Gold社とPascua Lamaプロジェクトに反対しない旨の協定書を締結したが、地元の環境団体はこうしたBarrick Gold社の動きに激しく反発している。環境団体“持続可能なチリ”の代表者Sara Larrain女史は、「会社側はしゃれた手口を使ったつもりだろうが、住民の魂を金で買うようなこのような協定を結んでもプロジェクトを進展させることは出来ないだろう。Huasco渓谷灌漑組合は地域住民の総意を代表してないので、本協定書が国家環境委員会(CONAMA)が下す判断に影響を与えることは有り得えない」と語り、同プロジェクトには今後も徹底的に反対して行く構えを崩していない。
Barrick Gold社は、先に環境影響報告書を第Ⅲ州環境委員会(COREMA)に提出したが、同委員会からの一連の質問に答えるため、本プロジェクトが氷河に与える影響に付いて国際的な氷河研究家グループに調査を依頼していた。Barrick Gold社は11月11日迄に回答書に調査結果を添付してCOREMAに提出しなければならない。COREMAは回答書が提出された日から4か月以内に同プロジェクトを承認するか否かの結論を出さなければならないことになっており、今後の成り行きに目を離せない状況が続いている。一方、Barrick Gold社は、当初計画どおり2006年に建設を開始し、2009年から年間金75万oz、銀30百万ozの生産を開始する意向を崩していない。
