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ニュース・フラッシュ

2005年11月1日 サンティアゴ 中山 健

Placer Dome社、チリ・Cerro Casaleプロジェクトの権益をBema社とArizona Star社に売却

 10月27日付け地元紙等によると、Placer Dome社は、チリ第Ⅲ州のCerro Casaleプロジェクトの権益51%を同プロジェクトのパートナーであるBema Gold、Arizona Star両社に売却することを決め、3社間で仮協定書を締結することになったと発表した。
 仮協定書の概要は、(1) Bema、Arizona両社は、Cerro Casaleの開発に着手した時点でPlacer Dome社に10百万ドルを支払う。(2) 更に両社は、生産開始後、Placer Dome社に現金または金の地金で70百万ドル支払う。なお、金地金による支払いの場合は12年間の分割払い(最初の7年間は10,000oz/年、後の5年間は20,000oz/年)とするというものである。
 Cerro Casaleは世界最大級のポーフィリー型金・銅鉱床の1つでPlacer Dome社が作成したF/Sでは、総投資額16.5億ドル、年間生産量金1,000,000oz、銅30,000t、マインライフは20年とされていた。
 先に、Placer Dome社は、金属価格が銅1.10USドル/lb、金600USドル/oz以上にならないとフィージブルにならないと判断し、開発を断念すると公表していた。これに対し、Bema Gold社は、同プロジェクトの総投資額は10億ドル、銅価格1.00USドル/lb、金価格375USドル/ozが採算分岐点であり、現在の価格水準でも充分に採算に乗ると判断し、Placer Dome社が開発に踏み切らないのであれば、その持分をパートナーまたは第三者に売却すべきであり、Placer Dome社がこれに応じない場合は仲裁に持ち込む旨申し入れていた。
 Placer Dome社のPeter Tomsett社長は、26日、記者団に対し「Cerro Casaleは当社の投資基準に合わない。この売却代金をより価値の高いプロジェクトに投資した方が株主の期待に添うものと確信している」と語った。一方、Bema Gold社のClive Johnson社長は「この協定書に合意出来て満足している。これで、Bema、Arizona両社は本プロジェクトを開発できる目途がついた。Placer Dome社も本プロジェクトに支出した資金を回収できるだろう」と語っており、Placer Dome社が撤退したことにより、Bema、Arizona両社を中心に本格的開発検討が進むものと期待される。

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