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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2005年11月21日 サンティアゴ 中山 健

Barrick Gold社、Pascua Lama銅・金プロジェクトの環境影響調査書を提出

 11月11日付け地元紙等によると、Barrick Gold社は、11月10日、チリ第Ⅲ州環境委員会(COREMA)にPascua Lama銅・金プロジェクトの環境影響調査書を提出した。この環境影響調査は、Huasco渓谷監視委員会が示した農業用水源保護に関する調査要請に応えるため、ヨーロッパの氷河問題専門のコンサルタント会社に委託して行われたものである。調査書は全10巻5千頁という膨大なもの。Esperanza、Toro Ⅰ、Toro Ⅱの3つの氷河は本来の氷河ではなく単なる氷層で、近年の地球温暖化現象により年々後退しており、2012-2025年には消滅する運命にあると記述。また、移転すべき氷層の面積は10haではなく5ha程度であり、鉱山開発のためこれら氷層を移転しても環境上の悪影響はないと結論している。
 Barrick Gold社はHuasco渓谷監視委員会と共同でCOREMAに環境影響調査書を提出する旨の協定を締結しており、大方の賛成を得ているが、監視委員会に加盟している9組合の内2組合が環境調査書を事前に充分検討させて貰えなかったことを理由に反対を表明しており、今後の動向が注目されている。
 州環境委員会は、15日以内に同調査書を検討し、改めて調査書に対する反論を行うか、さもなければプロジェクト承認の可否を決定しなければならない。

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