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ニュース・フラッシュ

2005年11月28日 バンクーバー 中塚正紀

Placer Dome社、Barrick Gold社の入札案を拒否

 地元報道等によれば、Placer Dome社は11月23日、Barrick Gold社による92億USドルの敵対的入札に対して同社の入札価格は低価格でご都合主義だとする意見を初めて一般に公表し、Placer Dome社株主に対して、Barrick Gold社の入札を拒否するよう促した。同社会長Robert Franklin氏はBarrick Gold社入札を拒否する理由として、(1) Barrick Gold社の提示した価格が適正ではないこと、(2) Barrick Gold社の入札はご都合主義でPlacer Dome社の取引価格に対し十分なプレミアムをつけていないこと、そして(3) Placer Dome社株主がBarrick Gold社株を所有することで発生するリスクに対する補償がないことをあげている。
 Placer Dome社CEO Peter Tomsett氏は、「Barrick Gold社は所有埋蔵量の14%をヘッジ契約しており、これが将来的なリスクと不安材料となること、また、2010年までにBarrick Gold社の生産量はチリとアルゼンチン国境近くで開発中のPascua-Lamaプロジェクトの結果次第で9%から21%減少することも考えられるのに比べ、Placer Dome社は同時期に生産の増量が見込まれており、Barrick Gold社がPlacer Dome社と合併したがる理由は明解であるが、Placer Dome社がBarrick Gold社と合併する理由は見当たらない」と話した。
 加えて、同氏はBarrick Gold社がPlacer Dome社を買収後、カナダの資産等を13.5億USドルでGoldcorp社に売り渡すとの話に関しても、「Barrick Gold社はPlacer Dome社との合併でカナダの最強企業を作ると謳っているが、実際にはカナダの資産を他社に売り渡す考えで、論理的に理解できないうえ、もしPlacer Dome社資産価値を理解していればあの価格での売買は考えられない」と語っている。
 一方、こうしたPlacer Dome社の発言に関し、Barrick Gold社は提示した価格は適正で、入札価格を上げることは考えていないと発言。
 また、Placer Dome社は、既にNewmont Mining社とConfidencial Agreementを締結し、詳細なデータを提供していると言われており、その他、トロントのKinross Gold社、南アフリカのAnglo Gold Ashanti社やGold Field社とも同様の契約を締結し、検討が進められているとのアナリストの情報を紹介している。

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