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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2005年11月30日 ロンドン 嘉村 潤

国際銅研究会の月報(2005年11月)

 国際銅研究会は、11月29日、世界の銅需給に関する2005年8月速報を発表した。2005年8月の見かけ地金需給は8.8万tの生産超過となった。これは2005年初めての生産超過で、主に例年の夏期休暇時の銅需要の弱まりによるものである。したがって、季節調整後の見かけ地金需給では僅か0.8万tの生産超過となった。
 2005年1~8月の見かけ地金需給は11.4万tの生産不足(前年同期は76.5万tの生産不足)、季節調整後は3.1万tの生産不足(前年同期は68.4万tの生産不足)となった。
 8月の世界の地金消費は、8月休暇期間のロシアを含む欧州及び日本における消費縮小により2005年最も低いレベルとなった。中国の8月の見かけ地金消費は、2005年前半の平均を4.0%下回る状態に止まった。米国の地金消費だけが3か月連続で増加傾向が継続している。2005年1~8月の世界の地金消費は、前年同期比2.0%減の1,092.3万tとなった。地域別地金消費では、2.8%増のアジアを除く全ての地域で減少。アジアにおいては、日本5%減、韓国10%減、台湾11%減が中国11%増、インド15%増により相殺以上となり増加した。EUは10%減と低迷、米国での回復の兆しにもかかわらす北米では9%減となった。
 2005年1~8月の世界の鉱石生産は、前年同期比3.2%増の967.6万tであった。精鉱生産で4.3%増、SX-EWで1.6%減、8月の鉱山稼働率は1~8月平均の87.4%を上回る89.0%に増加したが、2004年1~8月の平均稼動率89.4%よりは下回っている。生産途絶に悩まされたチリの鉱石生産は、7月から8月にかけて12.0%増加したが、1~8月では未だ前年同期比2.7%減に止まっている。2005年1~8月の世界の地金生産は、1次地金生産が4.5%増、2次地金生産が0.3%増となり、合計で前年同月比4.0%増の1,080.9万tとなった。2005年1~8月の製錬所稼働率は80.4%であった。
 2005年10月末在庫は、主要金属取引所(LME、COMEX、SHFE)合計で115,723tとなり、先月末から実質的には変化がなかった。COMEXとLMEの倉庫で減少、SHFE倉庫では増加となった。2004年末のレベルからみた在庫レベルとしては8,566t減少している。2005年10月のLME cash price平均は4,059.76USドル/t、2005年1~10月のLME cash price平均は前年同期から27%増の3,562.34USドル/tとなった。

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