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ニュース・フラッシュ

2005年12月5日 バンクーバー 戸村昌幸

Barrick Gold社、Munk会長、カナダ人による鉱山企業運営の重要性を力説

 Barrick Gold社のPlacer Dome社の買収に対し、敵対買収を行う可能性の高い企業として米国デンバーのNewmont Mining社があげられる。地元紙等によると、Newmont Mining社は、Placer Dome社が所有する鉱山の一部の購入権利を得られるのならPlacer Dome社買収には関与しないとの話し合いをBarrick Gold社に持ちかけたが、Barrick Gold社のPeter Munk会長はこれを拒否したと報じられた。
 同氏はカナダ企業の合併が外国企業に潰される事が国益に多大なマイナス影響を及ぼす事を政府に訴えかける行動を開始したことを明らかにした。同氏は外国企業がPlacer Dome社やFalconbridge社を買収した場合、カナダがこれまで築き上げた鉱業界の世界的リーダーの地位を揺るがす事態が起こるだろうと述べ、Placer Dome社は金生産業界の支配の鍵を握る企業で、これまで10年間にわたり、金生産業界で積み重ねてきた合併の最終段階がPlacer Dome社との合併であり、同社と合併することで金生産業界のリーダーになれると語った。
 また、カナダ鉱業協会が行った世論調査で「83%のカナダ人が、カナダが鉱業界の世界的リーダーの維持することが重要だと考えている」との結果を掲げ、カナダの鉱山会社がカナダ人の手に残ることが多くの人に支持されており、かつ、重要なことだと説いた。もし、カナダのメジャー企業が外国企業に買収されるようなこととなった場合、鉱業に携わってきた法律関係企業、コンサルティング企業、投資銀行なども影響を受け、全体が崩れることになるだろうとも述べた。
 カナダにおける鉱業は歴史的にも、現在の経済発展にも必要不可欠な存在で、この存在がカナダから無くなった場合に失うものは大きく、これを取り戻すことは出来ないだろうと力説した。
 また、これと同様にInco社のCEO Scott Hand氏も、カナダの鉱業が外国企業に渡ることで、カナダの鉱業が弱体化してしまうことを懸念する意見を述べている。

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