閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
ニッケル レアメタル
2005年12月5日 ジャカルタ 池田 肇

ファルコンブリッジ、ニューカレドニア・ニッケル開発を拒否へ

 フランス政府は25日、ファルコンブリッジ(FB)社に対してニューカレドニアのKoniamboニッケル・プロジェクトを実現させるかどうかの決定を年内に行なうように要請した。フランス蔵相は先週、同プロジェクト実現で、仏政府は資金援助を行なう方針で、FB社に対して1998年のル・ニッケル社との合弁事業取り決めの通り、ニッケル鉱山開発に着工するように申し入れた。
 仏政府はFB社が同プロジェクト着工の決定を2006年半ばまで延期できる提案を行なっていたが、ル・ニッケルが仏政府に対して同プロジェクトの早期実現を求めたため、方針転換で早期決定をFB社に申し入れた模様である。
 FB社はインコ社と合併する交渉が進んでおり、インコもニューカレドニアのニッケル鉱山開発(Goro)プロジェクトを抱えており、2つのプロジェクトを同時に進行させるのは採算面で困難との見方がなされている。
 Koniamboプロジェクトは総額22億USドルを投資して開発し、年間6万tのフェロニッケルを生産する計画で、仏政府は6億3,000万USドルの税制優遇措置と4億5,000万USドルの資金援助を行なう方針である。
 一方、FB社は30日、フランス政府提案を拒否したことを明らかにした。既に仏政府にも通告済みである。このニッケル・プロジェクトは、FB社49%、ニューカレドニア政府51%の出資比率で経営され、同政府がFB社に同プロジェクトで融資保証を求めており、この財務上の条件では民間企業として事業が成立しないと拒否した模様。
 FB社の回答期限は12月末までであったが仏政府から有利な条件を引き出して同プロジェクトを進めるものと推測されている。

ページトップへ