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ニュース・フラッシュ

2005年12月12日 バンクーバー 宮武修一

Inco社およびBarrick Gold社、買収提案の期限を延期

 Inco社は、Falconbridge社との友好的合併に係る株式買い受けオファーに関し、米国司法省やカナダ・ヨーロッパの規制当局の許可を得るために必要な調査にまだ時間がかかるとして、12月23日としていた期限を、2006年1月27日に延期した。
 他方、産金大手の合併として注目を集めるBarrick Gold社によるPlacer Dome社の敵対的株式買い受けオファーについても、期限が12月20日から1月16日に延期されることになった。10月31日のBarrick Gold社による一方的な買収提案を受け、Placer Dome社側は提示価格が妥当でないことなどを理由に態度を硬化。Placer Dome社側株主の間では買収を防衛するため、例えばある条件下で株式を発行し、これを廉価で株主間で持ち合う焦土的な考えも持ち上がっていた模様。Barrick Gold社側はこうした動きを阻止するため、ブリティッシュコロンビア州株式委員会へ提訴、今週中には公聴会が予定されるなど、両社の関係は緊張を増していた。しかし12月11日になって、Barrick Gold社側がオファーの有効期限を1月16日に延期すること、かつBC州証券委員会への申請を取り下げることを条件に、Placer Dome社も防衛策の取り下げに応じることに合意、いったん両社の緊張は緩和した。また今後とも両社は証券規定や法的訴えは行わないことに同意。期限の延期に伴いPlacer Dome社はより有利な条件の提示や第三者の出現に期待を寄せることが可能となる。しかし最も有力な対抗と目されるNewmont社の表だった動きは現在のところ無い模様。

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