コスタリカ・クルシータス金プロジェクト、環境保護庁の正式許可取得

　カナダ・アルバータに本社を置くバネッサ(Vannessa Ventures)社HP(12月12日付)等によると、同社のコスタリカ現地法人Industrias Infinito S.A.は、12月12日にコスタリカ環境保護庁(SETENA)から、クルシータス(Crucitas)金プロジェクトの環境規制上の開発許可(番号3638-2005-SETENA)を正式に取得したと発表した。
　Infinito社は、2002年3月にSETENAへ環境影響評価報告書(EIA)を提出したが、コスタリカ政府は、同年6月にモラトリアム法令(コスタリカ露天掘採掘の無期限禁止)により鉱山開発を許可しないと発表した。このため、同社は2005年7月下旬にカナダ・コスタリカ投資保護協定に基づき、投資紛争国際センター(ICSID)に仲介を申請した。同年9月初旬、SETENAは国際的な仲介圧力等を背景にInfinito社提出のEIAを実質的に承認した。
　その後、同社は、書類上の正式許可を取得するため、SETENAに対して環境保証書、宣誓陳述書等の必要書類を申請し、今回2002年3月のEIA申請以来3年8か月を経て、環境規制上の開発許可を正式に取得した。
　今後、Infinito社は、コスタリカ鉱業法第103条に基づき、大気・水質・土壌汚染等の環境基準違反時の｢環境パフォーマンス｣保証金として、社債60万ドル分を発行し自社内に資金担保できれば、鉱山開発が開始できることとなった。
　バネッサ社ジョン・モーガン社長は、同プロジェクトFS調査を、SETENAから実質的承認を得た2005年9月初旬から開始し2006年4月頃に評価結果を出す予定であるが、鉱山建設開始時期については現段階では未定という。なお、バネッサ社の評価では、同プロジェクトの金埋蔵量は68tを有す。