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ニュース・フラッシュ

2005年12月20日 ロンドン オーウェン溝口佳美

EU新化学物質規制法案(REACH)、第一読会が政治的合意に達する

 欧州理事会は、12月13日、EU新化学物質規制法案: REACH(Registration、Evaluation、Authorisation of Chemicals、化学物質の登録、評価、認可。通称:REACH)の妥協案が、EU競争政策閣僚理事会(2005年下半期議長国:英国)において、EU加盟国の25か国に正式に承認されたと発表した。REACH規制法案は、欧州25加盟国の新規ないし既存の化学物質に対する一つの一貫した制度で、年間1t以上の化学物質を製造又は輸入する企業に対して、当該情報を中央データベースに登録を義務付けすると言うEUの新化学物質規制として、2003年10月に欧州委員会によって提出された。これまで、REACH規制法案を巡って、妥協案と追加案が長期に渡って審議されてきており、去る、11月17日に欧州議会において第一読会が採択され、このほど欧州理事会にて正式な政治的合意に至った。本閣僚会議において議長を務めた、Sainsubry卿(英国科学イノベーション担当大臣)は、『今回の政治的合意は、REACH規制法案を巡る審議の大きな進歩であり、EUの化学物質産業の競争力を維持しつつ、適切な健康・環境保護を目指す、実行可能な制度で、これを大いに歓迎している。』とコメントした。一方、産業界ロビー団体を通じて、REACH規制法案の改正を要請してきた非鉄金属及び合金産業界は、今回、廃棄物に関しての登録(Registration)及び評価(Evaluation)と、鉱石、精鉱の登録(Registration)が、対象から除外された事は、中小企業への財政的負担の軽減であると歓迎を示しているが、更に、鉱石、精鉱、工業用鉱産物は認可(Authorisation)義務の対象から除くことも、再び強く求めている。欧州委員会のプレスリリースに寄れば、共同決定手続き(co-decision process)に基づき、欧州議会及び欧州理事会において、第二読会の最終的合意は、2006年の秋を予想しており、REACH規制法案の正式発効は、2007年の春頃となると見込んでいる。

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