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ベネズエラのカントリーリスク
新聞報道等によれば、ベネズエラのチャべス大統領による鉱山開発プロジェクトの見直しが約75%終了し、今月中にもその初期成果報告が出されると、Victor Alvarez鉱業大臣が発表した。同大統領の国家主義政策により、今後、同国政府は鉱山開発プロジェクトすべてに関与し、その中から政府が運営していく鉱山開発プロジェクトを選択、その他のプロジェクトは小規模鉱山会社が実施すること、また、外国企業は政府と共同で鉱山開発を行っていくことなどの方針がこの政策に盛り込まれる模様。この鉱業政策が導入されると、すべての鉱山プロジェクトに政府が関与することになり、民間企業が先導運営していく鉱山開発プロジェクトは無くなる。多くの外国企業は最終結論が出るのを待って今後の開発計画を再考するものと見られる。同大臣は「カナダのGold Reserve社やBolivar Gold社などの企業は許可を得るなど、実行可能なプロジェクトはすでに国家プロジェクトとして動き出しており、国の法律に従い開発に従事する企業は不安を抱く必要はない」と述べた。
ベネズエラにプロジェクトを有するカナダのBolivar Gold社は、現在、南アフリカのGold Field社から3.3億USドルの買収案を受けているが、Bolivar Gold社の株19.4%を所有するカリフォルニアの資金管理会社Scion Capital社は、Gold Field社の買収に反対するよう株主に訴えている。同社は、金価格の25年来の上昇にもかかわらず、その評価が低すぎることやGold Field社のBolivar社買収は、ベネズエラ政府政策をリスクではなく、認めてしまうことを意味するという理由から、合併に反対しているもの。この件に関してHaywood証券会社のアナリストは、ベネズエラの政策による将来的な不安から、同社のBolivar社の資産価値が下がっていることは事実で、リスクの高いベネズエラに投資するよりは、安全な他国への投資を考える投資家は多いと述べた。
