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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2006年1月10日 サンティアゴ 中山 健  2006. 1. 6 シドニー 久保田博志

Antofagasta社、Tethyan社とパキスタンReko Diq銅JVを形成し、133百万ドル投資

地元紙等によると、Luksicグループの鉱業持ち株会社AntofagastaPLC(世界第10位の産銅メジャー企業)のMarcelo Awad社長は12月23日記者会見し、同社が総額133百万ドルを投じ、オーストラリアのTethyan Copper社とパキスタンで共同探鉱を実施することになったと発表した。 また、Tethyan Copper Company Limited(本社パース、以下Tethyan社)も、12月23日、Reko Diq銅鉱床探査プロジェクト(パキスタン)に関するJV(新会社設立等)にAntofagasta社(本社チリ)と合意したと発表した。 Antofagasta社の投資総額の内訳はTethyan Copper社の株式19.95%の買い取り:20.5百万ドル、Tethyan Copper社がパキスタン国内に所有する探鉱権50%の買い取り:37.5百万ドル、パキスタンに於ける共同探鉱プロジェクトのAntofagasta社負担金75百万ドル(4年間に支出)である。本件はかなり進んだ段階の探鉱プロジェクトで、5地区からなる。精密探鉱を行い、4年間でフィージビリティー・スタディーを作成する計画である。パキスタン政府が本探鉱プロジェクトの権益5%を保有している上、Antofagasta社は20百万ドル支出した段階で探鉱プロジェクトから身を退くことも可能で、その場合は少数株主としてプロジェクトに留まることが出来る契約になっている。 JV形成に伴い、Tethyan社は、BHP Billiton社との間の同プロジェクトに関する提携関係と買戻し特約(Clowback right)を解消するために、一括45百万USドルと4年間にわたって5百万USドルをBHP Blliton社に支払うことになっている。 同プロジェクトは、埋蔵量はプレF/Sの時よりも65%増加して、128.8百万t、銅品位0.7%、金属銅量906,000t(回収可能銅量711,000t)とのことである。 Antofagasta社は戦略的にチリ及びその他ラテンアメリカ諸国での探鉱を最優先しているが、最近はその他地域、特にアジア、ヨーロッパでの探鉱も視野に入れており、中国、パキスタンからクロアチア、ブルガリアに至るポーフィリーカッパーベルトに注目している。パキスタンはアフガニスタンと国境を接しているためリスキーだとする見方もあるが、政情は安定しており、司法制度も上手く機能している。 Antofagasta社の探鉱戦略として、最優先地域がチリとラテンアメリカ諸国であることは変っておらず、チリでは2005年に約30百万ドルをかけてLos Pelambres鉱山周辺を重点的に探鉱した。チリ以外のラテンアメリカ諸国では、ブラジルのCVRD社と合弁会社を設立しペルーで探鉱を実施中である。今後はコロンビア、ブラジル、メキシコ、エクアドルでも探鉱を計画している。

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