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技能労働者不足で賃金15%上昇
オーストラリア統計局(ABS:Australian Bureau of Statistics)は、1月11日、技能労働者不足が賃金を押し上げており、特に、西オーストラリア州でその傾向が顕著であることを明らかにした。
鉱物資源ブームによって、鉱山業をはじめとして技能労働者は不足しており、初任給及びインフラ事業等の大規模プロジェクトに関わる労働者賃金は約15%上昇している。鉱物資源ブームの影響の強い西オーストラリア州やクィーンズランド州ではインフレや金利上昇を懸念されているほか、鉱山業界では技能労働者不足解消のためにブルガリアやルーマニアなどの外国から労働者を受け入れるなどが検討されている。
ABSによると、西オーストラリア州の技能労働者不足率(Skilled vacancy index)は、ここ3年間で88%上昇し、失業率*1は2001年7月以降最低レベルの3.9%、就業率(Participation rate)*2は2004年9月から2.4%上昇して68.1%に達し、2004年6月から2005年9月の間の西オーストラリア州の消費者物価指数の上昇は4.8%であったが、同期間の労働者賃金は6.6%上昇したとのことである。
一方で、2005年12月の各州の失業率は、西オーストラリア州が4.3%(前月4.0%)、クィーンズランド州が4.9%(4.8%)、ニューサウスウェルズ州が5.5%(5.3%)などとわずかに上昇したが、これは、労働者がより条件の良い職場を探す行動にでたことによるものと考えられている。
*1 失業率=失業者数/(雇用されている者+職を探している者)
*2 就業率=就業者数(=雇用されている者+職を探している者)/15歳以上の人口
