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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2006年1月18日 ロンドン 嘉村 潤

国際銅研究会の月報(2006年1月)

 国際銅研究会は、1月18日、世界の銅需給に関する2005年10月速報を発表した。2005年10月の見かけ地金需給は、0.6万tの生産不足となった。季節調整後の見かけ地金需給では2.0万tの生産超過となった。2005年1~10月の見かけ地金需給は、先に発表されたデータの修正も含め、20.3万tの生産不足(前年同期は85.5万tの生産不足)、季節調整後は8.6万tの生産不足(前年同期は74.0万tの生産不足)となった。
 10月の世界地金消費は、主に中国の銅地金輸入の急減による中国の見かけ地金消費が減少したことにより、減少した。日本、米国の消費が強まっている一方、EUの消費は9月と同じレベルを維持した。2005年1~10月の世界地金消費は、前年同期比1.2%減の1,378.4万tとなった。国別地金消費では、中国10.5%増、インド13.9%増、ロシア13%増となる一方、EU8.7%減、日本6%減、米国6%減となっている。
 2005年1~10月の世界鉱山生産は、前年同期比2.5%増の1,218.1万tであった。精鉱生産で3.4%増、SX-EWで1.6%減であった。鉱山稼働率は2005年1~10月平均87.7%で2004年1~10月平均の90.2%を下回った。世界の鉱山生産の約35%を占めているチリの生産減少が、世界の鉱山生産が伸びない主要因であり、チリを除く世界鉱山生産ベースでは1~10月前年同期比5.9%増、チリの鉱山生産は1~10月で3.3%減となっている。2005年1~10月の世界地金生産は、1次地金生産が3.9%増、2次地金生産が1.7%増となり、合計で前年同月比3.7%増の1,358.1万tとなった。2005年1~10月の製錬所稼働率は80.4%であった。
 2005年12月末在庫は、主要金属取引所(LME、COMEX、SHFE)合計で156,251tとなり、先月末から5,048t増加した。COMEXとLMEで増加、SHFEで減少となった。2004年末のレベルからみた在庫レベルとしては、31,962t増加している。2005年12月のLME cash price平均は4,576.78USドル/t、2005年のLME cash price平均は前年同期から28%増の3,683.64USドル/tとなった。2005年の最高値は4,650USドル/t、最低値は3,072USドル/tであった。

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