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ニュース・フラッシュ

鉱種:
鉄鉱石
2007年3月7日 シドニー 久保田博志

豪州・Pilbara鉄鉱石資産相続を巡る争い

 オーストラリアで「最も裕福な一族」、Hancock家とWright家によるオーストラリア最大の未開発鉄鉱石鉱区(時価総額40億A$相当)の相続権を巡る争いが、3月6日、西オーストラリア州高等裁判所(Supreme Court)に提起された。
 訴訟は、西オーストラリア州の鉄鉱資源開発の草分け的存在で数十年来のビジネスパートナーであった故Peter Wright氏と故Lang Hancock氏が保有していた鉱区の相続権、特に、Pilbara地域にある未開発のRhodes Ridge地区(資源量:鉄鉱石30億t、2005年にRio Tinto社が権益50%を取得)の相続権の帰属が争点となっている。
 現在、Hncock氏の娘Gina Rinehart氏が25%、残り25%をWright氏の子供Michahel Wright氏とAngela Bennet氏(残り50%はRio Tinto社)が所有しているが、Wright家側がこれに異論を唱えている。
 故Peter Wright氏と故Lang Hancock氏は、1930年から1978年に至るまで文書による取り決めなしに事業を共同で実施していたが、両氏の保有する鉱区相続を巡って後に両家の間で紛争が起こることを避けるため、1984年に資産を分割し、Wright氏が鉄鉱石資源を含む資産をHancock氏は鉄鉱石資源を含まない資産を取得することで合意した(Wright家側弁護士の主張)。
 1985年にWright氏が亡くなった後、故Hancock氏とWright氏の子供らとはHancock氏が10年間以内にRhodes Ridge鉱区を売却してその利益の50%を得ることで合意した。Hancock氏は当時CRA社(現在のRio Tinto社)に売却する計画であったが売却金額が折り合わず、同鉱区を売却することが出来ないまま、1992年に亡くなった。その後、Hancock家とWright家がRhodes Ridge鉱区の権利を各50%保有した形になっていたが、2005年にRio Tinto社に同鉱区の権益50%が売却されたことから問題が再燃した。
 今回の訴訟は、Wright家側が、同鉱区の帰属は1984年の故Hancock氏と故Wright氏による合意に基づく財産分割にしたがうのが明快であると主張して法的手段に訴えたものである。

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