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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2007年3月21日 リマ 西川信康

エクアドル・Junin銅Project、地域住民との交渉が進展

 業界紙等によると、エクアドルのJunin大型銅プロジェクトサイトにおいて、2006年12月以来、同プロジェクトを保有するAscendant Copper社(エクアドル)と鉱山開発に反対する地元住民・環境NGOの睨み合いが続いている問題で、この事態を収拾するため地元代表者が国務省及びエネルギー鉱山省に仲裁を要請し、政府派遣団が現地に乗り込み問題解決に向け交渉した結果、3月20日にAscendant側が譲歩する形で、同社所有のLa Florida農園に関する問題は一応の合意をみて解決した。
 Ascendantは、Junin プロジェクトの推進と警備のためにLa Florida農園を購入し151名を配置していたが、2006年12月、このAscendant労働者と反対派住民が衝突し負傷者が出る事件に発展、反対派側がアクセス道路を封鎖してきたことから、地域住民の生活にも支障が出ていた。
 合意書の内容は、Ascendant側は、La Florida農園の労働者111名を解雇し、新規に労働者を雇用しないこと、一方、反対派はLa Florida農園へのアクセス道路を開放し、武器を警察に引き渡すというもの。
 また、環境NGOのDecoinは、Ascendantは環境影響評価の承認が下りるまでいかなる鉱業活動も行うべきでないと主張、一方、Ascendantは地元住民に対しての裨益活動は継続するとし、環境影響評価は2か月以内に提出すことを約束した。
 Junin Projectは、地元住民や環境NGOと4年以上にわたる紛争が続いて来たが、利害が錯綜し、地域コミュニティ内の家族、友人、隣人間の関係まで悪化するような事態となり、この紛争がもたらした負の影響があまりに大きく、漸く住民自身から問題解決策を見出そうとする動きが出てきたものと見られる。

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