ニュース・フラッシュ
2007年4月2日
ジャカルタ
池田 肇
インドネシア・NGO、Newmontを鉱害問題で提訴
地元紙等によれば、インドネシア最大の環境保護グループNGO、WALHIは3月22日、Newmont社の現地法人Newmont Minahasa Raya社と関係会社をBuyat湾の海底に鉱滓を不法投棄したとして南ジャカルタ地方裁判所に民事訴訟を提起したことを明らかにした。
この問題では、環境省が1年前に同様の民事訴訟を行ったが、同地方裁判所は環境省のNewmont 社に対する民事訴訟は、政府と同社が鉱山開発に際し締結した事業契約(COW)に基づき国際司法裁判所に委ねるべき係争であるとして、地方裁判所は管轄権を有しないとして同省の主張を退けている。
WALHIのChalid Muhammad理事長(National Director)は、この提訴に関する声明の中で、WALHIは、エネルギー・鉱物資源省と環境省も適正な鉱山開発の監督や、有害廃棄物による環境破壊や鉱害を防止するための公的義務を怠ったとして提訴する方針と述べている。
Chalid理事長は、今回の提訴で政府はBuyat湾の鉱害問題を真剣に受けとめ問題解決に向け適正に行動すべきであると述べ、Newmont社による環境破壊や環境汚染が再び惹起されないよう取り組む方針と述べている。また政府の怠慢によって二度と鉱山鉱害が繰り返されないよう監視を強化すると述べている。
これまでに、地元住民や医師によるNewmont社への刑事訴訟、民事訴訟が繰り返されているがこれらはすべて撤回されている。
