ニュース・フラッシュ
2007年4月24日
サンティアゴ
平井浩二
チリ・CODELCOのAndina増産計画、農民との紛争により遅延
4月19日付地元紙等の報道によると、CODELCOのAndina事業所の増産計画は、地元の農民との紛争が原因で、遅延する見通しである。
サンティアゴ市の高等裁判所は、Aconcagua川監視評議会の工事差止め請求に基づいてCODELCOのAndina事業所からLos Bronces鉱山に達する工業用水路の建設工事を中止するよう命令を出した。これに対し、CODELCOは裁判所の中止命令は水資源総局(Direccion General de Aguas=DGA)が出した工事許可と矛盾する行為であると批判している。
CODELCOの説明によると、工事を差止められてもAndina事業所の生産には影響しないが、同事業所の第1次増産計画が遅延することになるという。CODELCOは、CODELCOがAconcagua川の流れの一部を他の流域に分岐しようとしているとの農民側の訴えを否定していないが、それに代わって新規の水資源を投入する代替案を提示している。
Aconcagua川監視評議会の弁護士団は、CODELCOは現在同社が保有している同川の水利権を上回る水量を使用しようとしており、同地域内にはこれ以上水利権を手放す農民はいないため、CODELCOの計画には無理があると主張している。なお、同弁護士団はCODELCOの計画には次の3つの難点があると指摘している。
Andina事業所は使用する水量に見合った水利権を保有していないこと。
CODELCOの放流する水質について、環境を汚染しないことを保証する必要があること。
Andina事業所の増産計画は環境に与える影響を充分に調査しておらず、Barrick社のPascua-Lamaプロジェクトと同様、氷河に与える影響を無視していること。
