豪州・北部準州最高裁、McArthur River亜鉛鉱山の拡張計画承認を覆す

　Xstrata社のMcArthur River鉱山の拡張工事に対する北部準州政府の承認を巡って、伝統的土地所有者グループが訴えていた件で、北部準州最高裁判所は、4月30日、北部準州政府の承認は鉱山管理法(Mines Management Act)の正規の手続きを踏んでいないことを認めた。
　5月2日、北部準州政府は、McArthur River鉱山とその110百万A$の拡張を脅かす 最高裁判所の判定の仲裁に乗り出した。
　2006年10月にXstrata社は、McArthur River鉱山を坑内掘から露天掘へ変更するため、5kmにわたるMcArthur河川の切り替えを含む工事の承認を受けた。しかし、4月30日、Yanyuwa、Mara、Garrawa、Gurdanjiの伝統的土地所有者の申請を受けた北部準州最高裁判所のDavid Angel裁判長は、準州政府が法的効力のないプロセスでプロジェクトを承認したことを認め、McArthur River鉱山の建設工事の延期を命令した。精鉱の生産と船積みは、引き続き認められている。
　北部準州政府は、この判定をレビューした上で、仲裁に乗り出し、このサイトで、鉱業活動のすべてを認める緊急の法律を制定することとした。この法律は、5月4日に通過することが期待されている。
　北部準州土地委員会(NLC)のNorma Fry会長は、この法律が成立したら、環境保護者と伝統的土地所有者は挫折することになるだろうと述べた。Fry会長と伝統的土地所有者は、ともに長引く雨期が、鉱山から汚染物質を浸出し、300kmのMcArthur河川に達し、重大なリスクを引き起こすことを心配している。