ニュース・フラッシュ
2007年5月18日
シドニー
久保田博志
Iluka社、豪ドル高に対応するための事業計画を模索
ミネラルサンド大手のIluka Resource Limited(本社パース、以下Iluka社)は、5月17日、第52回株主総会をパースで開催し、昨今のオーストラリア・ドル高における今後の事業展開の可能性を示した。
株主総会で同社の投資関係担当役員は、「Iluka社の西オーストラリア州南西部のミネラルサンド鉱山は採算ラインぎりぎりのところで操業しており、投資に対する良好な利益が上がっていない。」と述べ、同社会長は、「生産向上の試みはコストを押し上げ、収益を悪化させている。その大きな原因は、オーストラリア通貨高にある。同社は為替変動に極めて敏感になっており、為替レートが対US$で1¢変動すれば、収益は8百万A$の影響を受ける。このままオーストラリア・ドル高が続けば、年間利益50百万A$が失われる。」との見解を示した。
Iluka社社長は、「Iluka社の選択肢として、西オーストラリア州南西部からの代替を考える。同地域での採掘を中止し、同社のEulca Basinプロジェクト(南オーストラリア州)からの鉱石を既存設備で処理する。」などと述べた。
Eluca Basinプロジェクトは既存施設を活用した場合で400百万A$、新たなインフラ整備をいれたコストは600百万A$と試算されている。また、Murray Basin鉱山(ビクトリア州/ニューサウスウェルズ州)の拡張も選択肢のひとつとされている。
