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ニュース・フラッシュ

2007年5月29日 北京 土屋春明

中国政府、2007年6月1日より輸出入関税税率を調整

 安泰科によれば、5月21日付け財政部の情報によると、エネルギー消費量が多く汚染の原因となる資源製品の輸出を一層抑制し、エネルギー、資源類製品、重要部品・備品の輸入を増加させ、貿易バランスを促進するため2007年6月1日より、一部商品の輸出入関税税率を調整する。
 142品目の商品に対し輸出関税を徴収する。そのうち輸出関税を徴収していなかった80品目の鉄鋼製品の輸出税を5~10%に引き上げる。これら製品には線材、板材、型鋼及び他の鋼材製品が含まれる。更に昨年既に輸出関税を徴収しているビレット、インゴット、銑鉄など鉄鋼一次製品の税率を10~15%に引き上げる。2007年4月にこれらの鉄鋼製品の輸出税還付を取り消し、或いは輸出税還付率を大幅に引き下げたが、生産能力が過剰で輸出量が増加したため、今回マクロコントロール措置を一層強化する。
 天然黒鉛、レアメタル、精製鉛、酸化ジスプロシウム、酸化テルビウム及び一部非鉄金属スクラップなどの製品に対し、5~15%の輸出関税を徴収する。ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、モリブデン及び希土金属など金属鉱石の輸出関税を現在の10%から15%に引き上げる。石炭タール、一部鉄合金、未圧延亜鉛、蛍石の輸出関税を現在の5~10%から10~15%に引き上げる。
 輸入を激励し、貿易バランスを促進するために、209品目の輸入商品に対し比較的低い暫定税率を設定する。そのうち石炭、柔材(コルク等)及び燃料油など資源性製品の輸入暫定税率は0~3%、押し込み排出ポンプ、シールエレメント、軸受及び弁用部品、エアコン・冷蔵庫用コンプレッサー及びその部品、工事機械部品、カメラ部品、テレビ部品、ビデオカメラレンズ等重要部品・備品の輸入暫定税率は2~6%とする。
 国内製品の消費を促進するために、今回は、一部生活に関わる日用品に対し輸入暫定税率を適用した。主に乳幼児の食品、炊事道具、食品加工機、視力矯正レンズ、建築材料、内装用セラミック、家電製品などが含まれ、その輸入暫定税率を6%から17%に引き上げる。
 中国政府は、2006年11月1日、2007年1月1日、2007年6月1日と過去1年の間に続けて3回の輸出入関税税率の調整を行うことになる。

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