閉じる

ニュース・フラッシュ

2007年6月5日 サンティアゴ 平井浩二

チリ北部の電力会社が倒産の危機

 5月25-30日付け地元各紙は、アルゼンチン産天然ガスの供給がカットされディーゼル油による発電を余儀なくされているチリ北部の電力会社がコスト高のため破産の危機に立たされており、チリ北部の銅鉱山会社に深刻な電力問題を引き起こしていると報道した。
 チリ北部の大手鉱山会社(CODELCO、BHP Billiton、Phelps Dodge、Antofagasta Minerals、Collahuasi)に電力を供給するGas Atacama電力会社がアルゼンチンからの天然ガスの供給カットにより、発電コストの極めて高いディーゼル油による発電を余儀なくされたため、1日あたり300-500千$(年間1億20百万$相当)の損失を被っており、既に破産に近い状態である。このため、CODELCOを除く上記鉱山会社4社はGas Atacama社の再建計画として立てられた液化天然ガスによる発電計画に資金援助をするか判断を下すよう求められている。4社は共同で上記発電計画への資金援助が可能か否かの調査・分析を行なっており、近日中にその結論が出る見込みである。
 鉱山会社側はディーゼル油発電の電力を使用する場合に比べ経済的により優れた計画でないと投資は有り得ないと発言しており、調査結果次第ではGas Atacamaが破産する可能性がある。
 CODELCOは、供給の不安定なアルゼンチン産天然ガスの代替として、投資総額3億20百万$を投じてMejillonesに液化天然ガスターミナルを建設する計画を立てており、既に環境委員会に環境影響調査書を提出済みである。

ページトップへ