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中国アルミ大手Chinalco社、カナダPeru Copper社を840百万$で買収
中国のアルミ大手であるAluminum Corporation of China(Chinalco)社は、バンクーバーベースでTSXに上場しているPeru Copper社を友好的に買収すると発表した。 買収条件は、Peru Copper社の株式を1株当たり6.60US$、全株現金で買い取るとしており、総額840百万US$に上る。買収は7月末には成立する見込み。 Peru Copper社は、2003年6月11日、ペルーの国営企業であるCentrominとの間で、Toromochoプロジェクトの権益確保に関するオプション契約を締結しており、1年目に1百万US$、2年目に2百万US$を支出している。2008年6月まで継続する場合には年間3百万US$の支出が義務づけられている。同社はToromochoプロジェクトに対し、今まで90百万$を投資、2007年末を目途に、現在バンカブル・FSを実施している。 Chinalco社は、世界第1位といわれるChalcoアルミナ精錬所の権益40.46%を保有し、アルミのみならず、銅、レアメタルの探鉱等を内外で手がけており、現時点ではPeru Copper社の株式を9.9%(66百万US$相当)取得している。なお、所有主が変更しても法人としてのPeru Copperは存続するという。 Toromochoプロジェクトは、班岩銅鉱床であり、リマの東方140㎞のフニン県、標高4,700m~4,900mに位置する。銅の推定埋蔵量は1,000万t、モリブデン758百万lb、銀444百万lb。当該地域は開発に当たっての道路等インフラが整っており、露天掘りが可能とされており、Peru Copper社が作成した技術報告書では、開発投資額は15億US$、2010年までに建設を完了したいとしている。ただし、現段階でPeru Copperにこの投資額を補うだけの資産はない。 一方、フニン県のワロック県知事は、Toromochoは大規模なプロジェクトであるにもかかわらず2003年のPeru Copperによる落札額は約200万$であり、当時のトレド政権は国の利益に反する入札を行ったとして契約の見直しを求めているほか、Toromochoの譲渡に関する売買が行われた場合、その50%をフニン県に還元するよう要求している。 中国企業による企業買収に関して、昨年、中国の江西銅業集団公司がカナダのジュニアbcMetals社の権益75%を取得しBC州のRedChris銅鉱山(銅5万t/年規模)を共同開発する計画を発表したが不成立に終わっている。