ニュース・フラッシュ
2007年6月19日
バンクーバー
宮武修一 2007. 6. 19 バンクーバー 室井エリサ
カナダ・BC州政府、内陸部の害虫被害地域での産業振興のため、資源探鉱推進
カナダ・ブリティッシュコロンビア(BC)州内陸部の林業は、害虫、Mountain Pine Beetle※の異常発生により甚大な被害を被っているが、州政府はこの地域の経済活性化のテコとして鉱物資源開発に着目し、これを先導するための新たな探鉱振興策を講じている。6月12日にはBC州政府と州の基礎的地質データの提供を担うGeoscience BCは約500万C$を投じる調査プロジェクトに着手、Williams LakeからMackenzie地区(面積)にかけての4万平方km2の範囲でへリーボーン空中重力・磁気探査、地表サンプリングを行う。この地域の地形は急峻で、氷河や鉱化後の堆積物が厚く分布することから、今まで探鉱が進んでいなかった。しかしSerengeti社が新たに銅・金鉱床を発見したことに伴って、この地域の鉱床賦存有望性は見直されてきており、注目を集めていた。 こうした害虫被害地域における探鉱に関しては税制インセンティブも存在する。BC州政府は2007年2月にBC州内陸部のPine Beetle被害地域における資源探鉱に対し、探鉱経費の30%の税額控除を認めることを発表した。また連邦政府も15%の控除を認めるとしている。 今回の調査によって広範な重力、磁気、地化学データが取得され、一般に対し公開されることにより、新たな探鉱投資の発生と新鉱床の発見が期待されると関係者の間では期待が高まっている。(注)※Pine Beetle被害と資源開発についてはカレント・トピックス07-23(2007. 03. 22)参照。
