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インドネシア・工業省、商業省に対し鉄鉱石の輸出禁止措置を要請
地元紙等によればインドネシア政府は6月18日、国営製鉄PT Krakatau Steelが南Kalimantanで計画している製鉄所建設計画を推進するため、他の事業者による鉄鉱石の輸出を年内にも禁止する可能性があると伝えている。工業省金属繊維機械産業総局Ansari Bukhari総局長によれば、鉄鉱石の輸出禁止措置は、工業省が、鉄鋼産業の国内メガプロジェクトで需要の増大が見込まれる原料を確保するため、商業省(Ministry of Commerce)、南Kalimantan州知事(Governor)、南カリマンタン県知事(Regent)に対し要請を行ったもので3者は既にこれに合意し覚書(MOU)を締結していると述べている。現在、南Kalimantan州内で合法、非合法にかかわらず鉄鉱石を生産している事業者は、その大部分を中国などへ輸出している。そのため、製鉄所建設の最大の課題は原料の確保といわれ、政府はこれら国内鉄鉱石生産事業者(KP事業者)に対し輸出を禁止することで、メガプロジェクトとの原料供給契約を促進させて安定的に原料を確保する狙いが窺える。Ansari Bukhari局長は、輸出禁止措置を講じる場合は、メガプロジェクトとの原料供給契約を締結するKP事業者には優遇策を講じるとしている。PT Krakatau Steelが計画している製鉄所の粗鉱処理能力は50万t/年で、現在までに手当てできた鉱石量は3万6,000tにとどまっている。一方でインドネシア最大の鉄鉱石輸出業者PT Siloが2006年に輸出した鉄鉱石の量は140万tで、製鉄所の粗鉱処理能力を大幅に上回るものとなっている。
商業省国際貿易総局Diah Maulida総局長は6月19日、上記報道を受けて鉄鉱石の輸出禁止措置については、エネルギー鉱物資源省の意向も考慮して慎重に議論する必要があるとのコメントを行っている。
