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インドネシア・新投資法のネガティブリストを発布、鉱業は開放分野に
インドネシア政府は7月3日、4月に発効した新投資法(2007年法律第25号)の細則となる大統領令2007年第76号、同第77号(新ネガティブリスト)を発布した。新ネガティブリストには、国内投資家、外国投資家に対し投資を閉鎖する事業分野(25分野)と、条件付きで開放される事業分野(条件付き事業開放分野)(313分野)が明記され、旧ネガティブリストよりも大幅に投資を制限する分野が拡大した内容となっている。
新ネガティブリストには、金、銀、銅、鉛、亜鉛、ニッケルなどを対象とする鉱物資源開発(鉱業投資)は記載がないことから、大統領令2007年第76号第2条第1項に基づき鉱業投資は全面的に開放されている分野と解釈される。
大統領令2007年第76号は第10章第18条からなる法令で、第1条では9つの用語(投資、国内投資、外国投資、投資家、国内投資家、外国投資家、資本、外国資本、国内資本)を定義し、第2章では「活動の範囲と目的」と題し、第2条第1項において「閉鎖及び条件付きで開放されている事業分野を除き、すべての事業分野又は業種は、投資活動向けに開放されている」と規定している。同条第2項、第3項では、それぞれ「閉鎖されている事業分野は、投資活動として投資家が事業を行うことを禁じられている特定の事業分野である。」、「条件付きで開放されている事業分野は、特定の条件により投資活動として事業可能な特定の事業分野のことである。」と規定し、第3条以下に各分野選定の基準と条件などが示されている。
新ネガティブリストは、大統領令2007年77号により発布され、添付Ⅰに投資を閉鎖する事業分野として7セクター(文化・観光、林業、海洋・漁業、通信・情報、運輸、工業、農業)、25分野(賭博/カジノ、歴史・古代遺跡、博物館、天然サンゴの利用、ワシントン条約に規定された魚類の捕獲、ラジオ・テレビ公共放送、ターミナル・道路整備・積載量計量橋・原動機付き車両検査/定期検査の供給と運営、船舶航行支援通信/設備、船舶交通情報システム(VTIS)、航空管制業務(ATS)プロバイダー、有害化学物質産業、化学兵器産業、アルコール飲料産業、塩素カリ製造業、非鉄金属(鉛)など)が規定されている。
条件付事業開放分野は同添付Ⅱに記載され、条件別に、a.零細・中小企業及び協同組合向け(43分野)、b.パートナーシップ(36分野)、c.資本保有率(120分野)、d.特定場所(19分野(ホテル、スパ、レストランなど))、e.特別許可(25分野)、f.100%内資(48分野)、g.資本保有率・特定場所(17分野)、h.特別許可・資本保有率(4分野)、i.100%内資・特別許可(1分野)で313分野が規定されている。
ネガティブリストに記載される天然資源開発関連事業は3分野で、添付Ⅱc.(資本保有率)表中の東部インドネシア地域外の沖合石油・ガス掘削事業及び陸上での石油・ガス掘削事業への投資と、添付Ⅱe.(特別許可)表中の放射性鉱物鉱業への投資が該当している。前者の石油ガス掘削事業については、それぞれ外資保有率の限度を95%と規定している。また後者の放射性鉱物鉱業については国家原子力庁(BATAN)からの推薦状とその協力が義務付けられている。
