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ニュース・フラッシュ

2007年7月24日 サンティアゴ 平井浩二

チリ・CODELCO下請け従業員のストライキ、政府介入も合意に至らず

 CODELCO下請け従業員のストライキは、ストライキ発生後3週間以上経過したが、CODELCO側と銅産業労働者総同盟(CTC)側の協議は合意に至らず、未だ決着がつかない状況である。
 7月15日、CTC傘下の労働組合はCODELCOが提示した回答(1人当たり32万5千ペソの一時金支払い)を拒否した。7月16日にCTC委員長Cuevas氏は「対話は失敗に終わった。我々は今日からストライキを強化する。CODELCOが早く解決への努力を示さなければ、責任はCODELCOのみならず政府にも及ぶだろう」と語り、暴力行為が発生する可能性も否定しなかった。同日、CTCの組合員がCODELCO直轄従業員の通勤を阻止するためEl Salvador事業所へのアクセス道路を封鎖。同事業所を全面的に占拠し、生産を停止させた。
 7月17日にはBacheleta大統領の指示を受けたBelisario Velasco内務大臣がArellano総裁、Andrade労働大臣、Andres Velasco大蔵大臣と会談し、交渉方針を変更するよう指示したがCODELCOはこれを拒否した。Arellano総裁は「話し合いは行なうが、CODELCO組織法によりは契約を交わしていない第三者に支払いを行なうことは禁じられており、下請け従業員に一時金を支払うことは不法行為である」と当初から一貫した主張を繰り返した。
 7月19日、CODELCOのBarria請負業務担当副総裁はCTCの指導者達と対話を再開。CODELCOが、暴力行為を排除することを条件に、CTC側の要求している240万ペソの30%に相当する金額(約70万ペソ)を2007年に支払うところまで譲歩したとされる。交渉が難航している点は、ストライキ中の不就労日に対する賃金支払い及びストライキ中に解雇された者の再雇用である。一時金の支払いについては、CTCが要求額を120万ペソまで引き下げ、今なお折衝中であるという。
 今回のストライキについて、財界及び労働法専門の弁護士からは、ストライキ自体を疑問視する声が多い。自由経済研究所のPizarro弁護士は「今回のように企業と労働者の間に労働協約がない場合には、ストライキなどありえない。本件は下請け業者の従業員による不当な職場占領である。直接の労使関係がないので、本来ならCODELCOには交渉に応じる義務もないし、これら業務の請負契約を破棄し、他の請負業者に請負わせることも可能である。CODELCOが下請け従業員と如何なることを取り決めても、法的には何ら効力を発しない。」との論評を行なっている。

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