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ニュース・フラッシュ

2007年8月20日 ジャカルタ 池田 肇

インドネシア・政府監査チーム、Grasberg鉱山の減産を要請

 地元紙等によれば、インドネシア政府監査チームは8月13日、Freeport McMoRan Copper & Gold社(FCX)に対し、Grasberg鉱山周辺の環境に与える影響を軽減するため、同鉱山の粗鉱生産量を30万t/日から5~10万t/日減産し、20~25万t/日に生産縮小するよう要請を行ったことを明らかにした。また、監査チームは、財務大臣へロイヤルティ変更の必要性についても提言を行った模様であり、近く閣議で了承される見込みと報じている。Purnomoエネルギー鉱物資源相は、現在の生産量が継続されれば環境破壊が惹起されるとしており、鉱山に生産規模を縮小し環境規則遵守を徹底するよう求めている。しかし、FCXは現行の粗鉱生産量は22万~23万t/日を維持しているとしており、政府監査チームの数値に疑問を投げかけている。
 これに反し、エネルギー鉱物資源省鉱物資源石炭地熱総局の高官は、わずか数か月前に国家歳入を増加させるためにFCXに対し生産増強を要請しており、地金価格高騰時の減産は事業契約(COW)で定める最大利益条項違反であるとの主張を繰り返していたが、今般、政府が一変して減産要請を打出した背景には、鉱物資源石炭鉱業法案の改正審議における次世代への資源保護、国家保留鉱区における資源の温存を見越した行政的圧力と見ることもできる。
 なお、監査では、東Jawa州Gresik製錬所の生産増強も提言されている。Gresik製錬所では、Grasberg鉱山から生産される銅精鉱の約30%を処理しているが、監査では50%まで増加するべきであるとの提言もあった模様である

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