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ニュース・フラッシュ

2007年8月28日 サンティアゴ 菱田 元

チリ・Escondida鉱山の2007年上半期利益、全株式会社利益総額の30%に達す

 8月15、16日付地元各紙の報道によると、Escondida鉱山の2007年上半期の利益はチリの全株式会社の利益総額の30%に達したという。報道の概要は次のとおり:
 2007年上半期に於けるチリの全株式会社の利益総額は対前年同期比19%増の117億26百万US$と史上最高額を記録したが、Escondida鉱山は1社でその30%に相当する35億30百万US$の利益を計上した。
 Escondidaのこの利益額は対前年同期(29億18百万US$)比21%増であるが、同社がこのように大きな利益を計上した要因として、銅の建値高(上半期の平均銅価3.07US$/lb)の他に、増産が大きく寄与している。2007年上半期の同社の銅生産量は対前年同期比17%増の758,694tを記録した。2007年から低品位硫化鉱のバイオリーチングが稼動を開始した他、銅精鉱の生産増と従業員の生産性向上が主な理由という。
 参考までに、チリではEscondidaの営業成績は常にCODELCOのそれと対比されるが、CODELCOが2007年上半期に国庫に納入した余剰金総額は46億70百万US$。この内、株式会社の利益に相当する金額(注:余剰金から軍に納入する機密費、所得税、鉱業特別税を差し引いたもの)は対前年同期比3.0%減の、16億40百万US$であった。これは、Radomiro Tomic鉱山に於ける火災、リーチング・プラント用回転ショベルの故障事故、下請け従業員のストライキ等により生産が阻害されたためである。そのため、CODELCOの銅生産量は対前年同期比4.3%減の763,864tにとどまり、コストが対前年同期比16%上昇、銅1ポンド当たり1.26US$に上昇したからだといわれている。CODELCOのArellano総裁は、「生産コストが上昇したのはエネルギーコストの高騰等によるもので、鉱山業界では全ての企業が同じ状況にある」と説明しているが、Escondidaの今年上半期の銅1ポンド当たり生産コスト(償却費を除く)は0.57US$と、前年同期の0.62US$に比べると下がっている。また、CODELCOとEscondidaの生産量の差は、ここ4年の間に年々縮小してきているが、2007年上半期には僅か5,170t差と肉迫した状態にある。

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