ニュース・フラッシュ
2007年10月16日
サンティアゴ
平井浩二
チリ・Escondida鉱山の水利権獲得プロジェクトが議会に反対される
10月11日付の地元業界紙によると、La Segunda紙はチリ下院議員の一人が、地域のエコシステムに取り返しのつかない損害を与え得るとして、Escondida銅鉱山の水利権を取り消すようチリ第Ⅱ州の環境当局に訴えた。急進党の法律家Marcos Expinosa氏は、この水利権をEscondida鉱山に与えると付近のフラミンゴが生息する環境保護区を脅かし、地域の生物の多様性に危機を及ぼすと述べた。
Escondida鉱山を所有するBHP Billitonは、2007年1月に提示されたPampa Colorado水プロジェクト環境影響調査に対する懸念への対応期限を30日間延長するよう、5月に要求している。Pampa Coloradoプロジェクトは、300百万US$を投じてEscondida鉱山へ水を供給することを目的としている。
4月にチリ水道局はEscondida鉱山に対し、同社が計画している第Ⅱ州Atacama塩湖からの地下水1,027ℓ/秒の採取が地域のエコシステムに影響を与え得るとし、この採取量を減らすよう求めている。
環境委員会(Conama)が発表した情報によると環境影響調査は実施中で、BHP Billitonはこの件についてただちにはコメントしていない。水調達の他の手段として、Escondida鉱山は第Ⅱ州に600百万US$の海水淡水化プラント建設を検討中である。同鉱山は既に第Ⅱ州のPuerto Colosoにチリでは最大容量の525ℓ/秒の淡水化プラントを保有している。
