ニュース・フラッシュ
2007年10月17日
シドニー
永井正博
インドとアメリカの原子力協力協定の頓挫によるオーストラリアへの影響
10月15日、インド政府は、アメリカとの民間原子力協力に関する「123 Agreement」として知られている協定が頓挫していると発表した。
インドのシン首相は、アメリカ大統領ブッシュに対し協定締結を延期すると述べた。その主な理由は、協定自体にあるのではなく、余りにアメリカと親密になることに対して政府与党で連立をしている共産党が恐れているという国内の政治的反対であるという。
このインドの決定により、オーストラリアとインドとのウラン輸出交渉が不透明になることになる。
豪州連邦政府のマクファーレン産業観光資源大臣は、ウラン供給契約の交渉の鍵を握っているアメリカとインドとの原子力協力協定がストップしたが、引き続きインドは将来のウラン市場であると述べた。マクファーレン大臣は、セーフガード協定があるなら、政府はいつでも法的にオーストラリアからインドにウランを供給することができると主張している。
しかしケビンラッド労働党党首は、インドがIAEAの調査に応じない限り、オーストラリアはインドにウランを売らないであろうと述べた。
地元紙は、インドの情報源によると、インドの高官は、アメリカとの行き詰まりにもかかわらず、オーストラリアのような国との取り決めを求める2国間交渉は継続されるだろうと述べたと報道している。