閉じる

ニュース・フラッシュ

2007年10月23日 サンティアゴ 菱田 元

アルゼンチン上院議会、ウラン輸出禁止法案を検討中

 10月16日付の地元業界紙によると、アルゼンチンの国家原子力エネルギー委員会(CNEA)は、アルゼンチン上院議会がウランの輸出を禁止するため、ウランを戦略鉱物資源に含める法案を検討中であると述べた。
 CNEA原料生産部長のAlberto Castillo氏は、国が操業に必要なウランの量を確保できない限り、ウランの海外販売禁止という目標に突き進むであろうと述べた。生産されたウランは、海外へ輸出される代わりに将来EmbalseとAtucha I原子力発電所及び開発中のAtucha Ⅱ原子力発電所に供給される見込みである。
 かつては戦略鉱物資源に含まれていたウランであるが、現在の鉱業法では通常の鉱物資源として取り扱われていた。アルゼンチン政府は2006年、8年間で85億US$の費用を必要とする戦略的原子力再利用計画を開始した。
 「もしウラン生産品のうちのある量を輸出した場合、将来的にウランの不足が起こるだろう。」とCastillo氏は述べた。この法案が可決されると、アルゼンチンのウラン生産会社はCNEAに対してのみ市場価格での販売が可能となる。
 アルゼンチンは現在EmbalseとAtucha Ⅰ原子力発電所に供給するため、年間120tのウランを平均価格250 US$/kgで輸入しているが、Castillo氏は「CNEAはSierra PintadaやCerro Soloといった鉱床から70~100 US$/kgのコストでウランを採掘可能である。」と述べている。
 2007年8月にCNAEとSalta州当局は州北部のDon Ottoウラン鉱山を再開発するための合意書に署名した。必要とされる投資額は11百万US$で、毎年30tのウランを生産する計画である。原子力エネルギー計画によると、2010年までにAtuchaⅡ原子力発電所(745MW)が完成予定である。

ページトップへ