ニュース・フラッシュ
2008年2月22日
リマ
西川信康
ペルー:シプリアーニ枢機卿、教会関係者は鉱業活動と一線を画すべきと主張
業界紙等によると、ペルーキリスト教の最高指導者であるシプリアーニ枢機卿は、司祭や司教などの教会関係者は自らの宗教的権威を利用して政治的発言を行うべきではないとし、鉱業反対運動等に直接的に関わる聖職者らに対して自制を促す発言を行った。
枢機卿は、環境問題は非常に重要なテーマであり全力で取り組まなければならない問題だが、特定の森林の伐採や鉱山開発に対して反対を唱えることは本来の聖職者の立場から逸脱した行為であると批判した。さらに、一部の政治勢力から利用されることのないよう、聖職者として思慮深く行動する必要があるとしたほか、鉱業反対運動など政治的なテーマと関わりを持つ場合は、キリスト教精神や教義を伝えるという本来の役割を認識しなければならないと注意を促した。
なおシプリアーニ枢機卿の発言は、カハマルカ県を中心に特定のNGO団体と共に反鉱山活動を行うアラナ神父の活動を意識したものではないかと見られている。
