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ニュース・フラッシュ

2008年4月29日 サンティアゴ 菱田 元

ブラジル:Vale 2008年第1四半期の純利益は為替レート、ヘッジング、悪天候により前年同期を下回る

 4月25日付の地元業界紙によると、ブラジル大手鉱山会社Valeは4月25日、リオデジャネイロの本社で開かれたプレス発表において、2008年第1四半期の純利益は様々な理由により対前年同期比8%減の22.2億US$となったと述べた。理由として、US$に対するブラジル通貨・レアル高による輸出歳入の減少、ブラジル北部における雨期の操業への影響、顕著なコスト上昇及びヘッジ操作における損失を挙げた。「絶えず変動する為替レート、エネルギー・機械類・原材料価格の高騰といった現在の状況を考慮すれば、業績は大変良かった。」と同社マーケット担当課長Roberto Castello Branco氏は語った。
 主な損失は、カナダ鉱山会社INCO社買収の際の借入金を完済するために行ったヘッジ取引に伴い発生した。「2008年第1四半期の金属価格の変動により、金融派生商品で318百万US$の損失を計上した。」とBranco氏は語り、金属産品の価格が上昇するたびにこのような損失が発生すると付け加えた。2008年第1四半期の金融派生商品での損失は、銅で126百万US$、アルミニウムで117百万US$、ニッケルで36百万US$、白金族で16百万US$となった。「特にアルミニウムと銅の価格が急騰したため、派生商品での損失を計上することとなったが、これらはキャッシュ・フローに影響はない。」とBranco氏は語った。
 一方、高い金属価格により、売上高は対前年同期比4.8%増の80.5億US$に、EBITDA(税引前利益+支払利息+減価償却費)は17.1%増の37.3億US$になった。好調材料として鉄鉱石及びペレットの出荷量が対前年同期比15%増の7,660万tとなり、これは四半期記録を塗り替えた。出荷量の内訳は鉄鉱石が6,830万t、ペレットが828万tである。その他、アルミニウムが前年同期と同レベルの136,000t、アルミナが前年同期の700,000tから833,000tへ増加、コバルトが580,000tから740,000tへ増加、白金族が10.6%増の86,000ozの出荷量となった。ニッケルの出荷量は71,000tから66,000tへ減少し、銅も66,000tから63,000tに減少した。
 Valeは世界最大の鉄鉱石生産者である。

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