閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2008年4月29日 リマ 西川信康

ペルー:ガルシア大統領、自発的拠出金の使途に注文

 業界紙等によると、ガルシア大統領は、28日、Yanacocha鉱山で行われた露天掘跡地を利用した貯水量600万m3のSan Jose貯水池の完成式典で、最新技術と環境への配慮によって、農業にとって鉱業は脅威ではなく両立可能な産業であると訴えた。
 また、同大統領は、任期も中盤に差し掛かかり、これまでは政府としての体制や計画を整える準備期間だったが、今後は公共事業の実現を最優先課題とする考えを示し、同式典に出席していた鉱業協会のクルス会長に対し、2008年の自発的拠出金(予定拠出額5億4,700万ソーレス(1億9,500万$))を大規模事業へ活用するよう要請し、具体例として農業トラクター(2千台)や道路舗装車の購入、貯水池(50か所)、大規模病院建設(20か所)などを挙げたほか、地域住民が鉱山の貢献を実感できるような事業を行うべきだとし、2007年については約1万件の小規模プロジェクトに拠出金が利用されたが、支出先が分散しすぎたことを反省し、2008年はこれが繰返されるべきではないと主張した。
 これに対してクルス会長は、同協会は、自発的拠出金の運営には関与しておらず、現在拠出を行う鉱山企業37社が、地域の自治体及び市民団体と共同で運営しているとし、自発的拠出金を規定する最高政令はインフラ整備、栄養改善、教育、研修制度等の9分野における事業の実施を定めており、農業用或いは道路整備車両の購入は対象外であると反論した。またクルス会長は中央政府並びに地方政府に対し、2007年度の鉱山企業による所得税は100億ソーレスにのぼることから(所得税全体の約45%)、貧困撲滅や生活の質向上を実現するためのプログラムやインフラ事業に有効かつ適切に実施するよう要請した。

ページトップへ