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ニュース・フラッシュ

2008年5月6日 サンティアゴ 菱田 元

ブラジル:Vale、2008年第1四半期の売上低下にも事業拡張は継続

 4月28日付の地元業界紙によると、Valeマーケット担当課長Roberto Castello Branco氏は、2008年第1四半期の純利益がやや低下したにも拘わらず、ブラジル国内及び海外における事業の拡張計画を継続すると語った。2008年第1四半期の営業報告のプレス会議において、2008年は6件の新規プロジェクトがあり、そのうち3件は既に立ち上がり操業しているとBranco氏は付け加えた。
(1)Fazendao鉄鉱山
 Minas Gerais州のFazendao鉄鉱山は4月上旬でフル操業となり、年間1,580万tの生産予定である。この新しいFazendao鉄鉱山は、隣接する海岸沿いのEspirito Santo州にあるSamarco社(Vale 50%-BHP Billiton 50%のJV企業体)が最近建設した年間760万tのペレット製造設備へ鉄鉱石を供給しており、これによりSamarco社は年間2,160万tまで生産拡張可能となる。
(2)Paragominasボーキサイト鉱山
 ブラジル北部では2008年後半の完成へ向け、年産450万tのParagominasボーキサイト鉱山を196百万US$投資して開発中である。Paragominasのボーキサイト鉱石は、Alunorteアルミナ製錬所(846百万US$を投じた年産626万tの拡張工事が2008年後半終了予定)へ供給される。
(3)Iatbiritos鉄鉱石プロジェクト
 同時並行的に973百万US$を投資した年産700万tのIatbiritos鉄鉱石プロジェクトも2008年後半に完成予定である。
(4)Vermelhoニッケル鉱山
 Carajasに近いブラジル北部のVermelhoニッケル鉱山開発は、完了時期は未定なもののプロジェクトは予定どおり進行中である。
(5)Daltian精製所(中国)
 ブラジル国外では中国のDaltian精製所が年間35,000tのフィニッシュ・ニッケルの生産を行い、中国市場に供給する予定である。
(6)Goroニッケル鉱山(ニューカレドニア)
 32.1億US$を投資した南太平洋ニューカレドニアのGoroニッケル鉱山は、ニッケルマットを中国の処理施設に供給する予定である。フィニッシュ・ニッケル年間60,000tの生産能力を持つ設備が2008年末までに完成予定である。
 更に、「Goroプロジェクトは処理能力を現在の計画の2倍にすることもできるが、拡張計画を考える前にこの第1期計画の成功を優先させる。我々は中国だけでなくインド、ベトナム、中東地域などの新興国での消費に特に大きな期待を寄せている。」とBranco氏は付け加えた。Branco氏によると、世界の消費増加の95%は発展途上国によるもので、これは世界全体の経済成長の66%を支える。インドはここ2年間で耐久消費財の主要消費国となった。
 鉱山開発以外では、Vale及び他の多国籍企業はブラジル国内の鉄鋼プロジェクトに133億US$を投資している。Valeは数十億$の製鉄所建設プロジェクト3件にマイノリティ参加しており、これらはいずれも海外鉄鋼メーカーとのJVである。

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