ニュース・フラッシュ
2008年6月3日
リマ
西川信康
ペルー:Aruntaniグループ、Tambo Grandeプロジェクト開発への関心を表明
業界紙等によると、Aruntaniグループは、Tambo Grande(ピウラ県)鉱床の開発に向けて地域住民との対話交渉を実施していることを明らかにした。
Tambo Grandeは現在ペルー政府が所有するプロジェクトだが、鉱山開発に反対する住民運動がきっかけで過去に鉱業権を所有していたManhattan Minerals(本社:カナダ)が2003年に撤退を余儀なくされた経緯がある。
Aruntaniグループ傘下Arasi社のデル・カスティージョ社長によれば、企業と地域社会の双方に裨益する鉱山開発を行うための新たな提案を行うことになっているという。
Arasi社は、ボリビアとの国境地帯においてSan Andres鉱山を操業し、年間4万ozの金を生産しているが、2008年の生産量は3倍の12万ozとなる見通しである。同社長によると、Tambo Grandeの住民らは当初鉱山開発に対して強固に反対していたが、次第に態度を軟化し、鉱山開発に理解を示すようになっているとしたほか、住民らをArasi社操業鉱山へ招待し、同地域で実施されている社会・環境プログラムの見学を行ったことを明らかにした。
これに対し、バルディビア・エネルギー鉱山大臣は、Tambo Grandeプロジェクトは国際入札によって民間に移譲されることになっているが、入札日は確定していないとコメントした。
なお、昨今、Tambo Grande鉱床周辺での金の不法採掘が拡大しており、ペルー全体の4割のマンゴー及びレモン生産が行われる同地域で深刻な環境被害を引き起こしているとされる。
