ニュース・フラッシュ
2008年6月30日
バンクーバー
武富義和
欧州:資源確保を目指し、北極圏での各国の動きが活発化
地元紙によると、北極圏での権利を主張する国々の動きが活発化している。
ロシアは、北極圏での権利確保を目指し、ロシアの主張に異論を唱える諸国への対抗措置として軍事演習を実施するようだ。2007年8月にも、北極圏の海底にロシアの国旗を立てるために2隻の小型潜水艦を派遣している。また、土壌サンプリング等科学的調査により、ロシアの大陸棚の一部で2,000kmに及ぶLomonosov Ridgeが北極圏まで繋がっていると述べており、更なる地質調査を計画している。
米国も2008年5月、5,000名の軍隊をアラスカ北部周辺での演習に参加させている。
カナダは砕氷船の数を増やし、北極圏に新規に2つの軍事施設を設置すると宣言している。
デンマークも、科学者を送り込み、グリーンランドの大陸棚の延長が北極圏に繋がっているか否かについて調査を行っている。
この背景としては、未発見の石油、ガスの25%は北極圏に眠っているともいわれており、また、それ以外の資源も埋蔵していると考えられることによる。この一連の動きに関連して、2008年5月、北極圏での権利を主張するカナダ、デンマーク、ロシア、ノルウェー、米国が一同に会し、国際北極圏条約でのコミットメントを再確認している。