ニュース・フラッシュ
カナダ:BC州首相、内閣改造を行う
カナダBC州のGordon Campbell首相は、6月23日、内閣改造を発表した。23閣僚中、11閣僚を留任させ、新人閣僚5名を含む12閣僚を一新するもの。今回の内閣改造では、経済開発、輸送インフラの整備、多文化主義の確立に重点を置いたものとなっており、政権全体での注目点は、財務大臣にアジア太平洋ゲートウェイ戦略を担当し、BC州のプロモーションのため数度来日経験もあるベテラン閣僚で、首相の信任が厚い前経済開発大臣Colin Hansen氏を登用したことである。この登用の目的は、7月1日に導入され、州民に様々な反応を投げ掛けている北米初の炭素税制度や、現在、計画が頓挫しているBC州北西部の輸送インフラ整備の進展を図ること、更に、最大の貿易相手国である米国の経済低迷の影響を今後受けるであろう同州経済の維持など、次期選挙の鍵となる重要な役割を担うことと思われる。そのハンセン氏の後任の経済開発大臣には、中国系女性閣僚であるIda Chong氏を採用し、BC州がカナダのアジア太平洋ゲートウェイであり、アジアとの持続可能な経済発展のためのビジネスチャンスを獲得し続けることを重要課題としていることを裏付けるものとなっている。
鉱業界にとって特に影響のある鉱業大臣と環境大臣についての略歴は以下のとおり。
Gordon Hogg鉱業大臣:BC州Surry-White Rock地区選出で1997年の補欠選挙にて州議会議員として初当選。20年間のBC州White Rock市議及び市長を歴任し、1997年にBC州議会議員になってからは、2001年6月~2004年1月まで児童家庭支援大臣を努めた。
Berry Penner環境大臣:BC州Chilliwack地区選出で1996年の州議会議員選挙で初当選。2005年6月より現職。以前はBC州政府資源委員会の委員長を努めた経験もあるなど、資源ビジネスへの知識や経験にも明るい。
以上のことから、鉱業大臣は必ずしも鉱業が専門ではないが、政治家としての豊富な経験から各方面に幅広い知識や人脈を有しており、また、利害が反する環境大臣には、元BC州資源委員会の委員長を務めた経験もある若手実力者としての呼び声も高いPenner氏が留任したことから、今回の内閣改造は、鉱業界にとっては概ね好感を持って受け入れられるものと考えられる。
