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ニュース・フラッシュ

2008年7月14日 ロンドン フレンチ香織

グリーンランド:政府、5年間で7件の鉱山生産開始に期待

 グリーンランド政府関係者によれば、同島では温暖化が懸念される一方、鉱業による経済発展が期待されており、5年間で7件の鉱山が生産を開始すると予想されている。代表的な例として、Angus & Ross社(英)が有するBlack Angel鉛・亜鉛鉱山は、2008年10月に操業が再開され、年間約22万tの高品位亜鉛鉱石の生産が期待されており、2011年にはInternational Molybdenum社がモリブデン生産を開始、2014年にはAlocaと同政府の水力発電開発に伴って、アルミ製錬所が完成する予定である。
 グリーンランドの主要産業は狩猟及び漁業であるが、海水面の上昇及び氷解によって海産物等の減産が見られ、政府は鉛・亜鉛、金、ダイヤモンド等の鉱物資源採掘を活発に促進する計画である。近年では外資による探鉱ライセンス申請が急増し、2006年40件に対して、2007年末には75件に達しており、探鉱費も前年比倍増の約18百万US$を記録している。また、2004年にはCrew Gold社(英)がNalunaq金山にて金生産を開始し、2005年にはMinelco社(スウェーデン)がSeqiオリビン鉱山にてオリビン(鉄鋼硬化に使用)の生産を開始している。
 同政府は石油・天然資源採掘に伴う鉱害及び移民の増加を懸念しているが、鉱業分野の繁栄によって、年間420百万€の助成金を提供するデンマーク王国への依存を軽減し、政治的なデンマークからの独立を期待している。

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