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ニュース・フラッシュ

鉱種:
鉄鉱石
2008年8月18日 ロンドン フレンチ香織

ロシア:欧州議会、ロシアの鉄鋼スクラップ輸出課税の引上げ計画を調査

 業界誌によると、欧州議会は国際リサイクリング協会の申請に応じて、ロシアが現在計画している鉄鋼スクラップ輸出課税の引上げについて調査する意向を示した。ロシアの計画では、スクラップ輸出課税を大幅に引上げることで、国内のスクラップ供給を改善することが目的であるが、国際リサイクリング協会は、世界市場におけるスクラップ需要の高まりを懸念して断固反対の意見を訴え、欧州議会が本調査に着手することとなった。
 ロシア政府等は現在、鉄鋼スクラップ輸出課税を15€/tから120~130€/tに引上げて、また、増税率は未公表であるが、2008年11月1日より非鉄スクラップの輸出課税も引上げる計画を立てている。なお、鉄鋼/非鉄スクラップの輸入税に関しては、国内供給改善対策により、従来と同じく免税が維持される予定である。
 ロシアでは現在、年間30百万tのスクラップが回収されており、世界第2位の鉄鋼スクラップ輸出国である。しかしながら、ロシアのスクラップ輸出量は減少傾向にあり、2005年は12.4百万tの鉄鋼スクラップを輸出していたが、2007年の輸出量は7.9百万tへと減少している。
 アナリストによると、ここ数年で世界のスクラップ需要は10%増加すると予想されているが、ロシア同様、いくつかの国々で輸出制限を推し進める対策が見られている。中国及びインドでも、国内供給の安定のために輸出を課しており、南アの経済産業省も、国内のスクラップ価格の高騰対策及び国内スクラップ供給不足を危惧して、数か月で国家のスクラップ市場調査を行い、スクラップに輸出税を課すかどうかを検討する予定である。

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