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ニュース・フラッシュ

2008年8月29日 バンクーバー 村上尚義 2008. 8. 29 バンクーバー 室井エリサ  2008. 9. 1 ロンドン フレンチ香織

DRCコンゴ:同国政府は鉱業契約を見直し-FCX、Lundin Mining社らは契約内容の変更を求められる

 DRCコンゴは、現在61件のプロジェクトに対する鉱業契約の見直しを行っているが、Lundin Mining社(本社:加・バンクーバー)とFreeport McMoran Copper & Gold(本社:米国・フェニックス、以下FCX)が開発を手掛けるTenke Fungurume銅・コバルトプロジェクトもその契約内容の変更を求められている。同プロジェクトは世界最大級の未開発銅プロジェクトの一つで、FCXが57.75%、Lundin Mining社が24.75%及び鉱山公社Gecaminesが17.5%の権益を所有している。
 現契約では、所得税、ロイヤルティ、譲渡手数料などを含む1億US$がDRCコンゴ政府に支払われることになっており、既に7,000万US$が支払われている。今回の契約の見直しでDRCコンゴ政府は、総支払額を2.5億US$へ引上げること及び同政府が現有する権益を倍にすることを求めている。Lundin Mining社はDRCコンゴ政府に対し、これは非常に困難な要求で、開発が経済的に実行不可能に陥ることも考えられると主張している。同政府は、1996年にLundin Mining社と締結した契約内容(DRCコンゴ政府が45%権益所有、譲渡手数料2.5億US$)に従うべきだとしているが、Lundin Mining社は現在契約(2005年に再交渉)には法的拘束力があり、またDRCコンゴ政府にとっても非常に有益な内容であることから再交渉には応じない姿勢を示している。
 カナダ企業では、他にKatanga Mining、Anvil Mining及びMoto Goldmineの各社が所有するプロジェクトも見直し対象となっている。
【メモ(FCXニュースリリースによる)】
 ※Tenke FungurumeプロジェクトはDRCコンゴで最も有望視されるプロジェクトで、可採鉱量100百万t、品位Cu 2.3%、Co 0.3%であるが、今後の探鉱により鉱量拡大の可能性が高い。Capex 17.5億US$の内FCXが70%を負担する。2009年下期に生産開始、年産計画量(金属量ベース)銅250百万lb(113.4千t:SxEwカソード)、コバルト18百万lb(8,165千t)。

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